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防犯カメラの撮影範囲について徹底解説 範囲を決める要素や計算方法、目的別ごとのおすすめ撮影範囲をご紹介

2025年3月28日(金)

防犯カメラの撮影範囲は画角や使用するレンズにより変化します。事前に撮影範囲を知りたい場合は計算によって求めることが可能です。この記事では撮影範囲の算出方法や具体例をご紹介しています。

防犯カメラを購入する際、撮影したい範囲がどこまでなのか正確に把握することが必要です。撮影範囲が想定通りでないと、買い直しになる可能性があります。また、広角での撮影しかできず欲しい情報が見分けられないといった問題も起こりうるでしょう。

この記事では、撮影範囲を決める要素や計算方法、目的別の推奨撮影範囲をご紹介しています。防犯カメラの撮影範囲でお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。

防犯カメラの撮影範囲は画角で決まる

防犯カメラの撮影範囲は画角で決まります。画角は防犯カメラが撮影する範囲の縦幅と横幅の広さを角度で表したものです。広い撮影範囲を望む場合は大きな画角が必要ですが、狭い撮影範囲の場合は小さな画角が適しています。

画角は、ピントが合った時点でのレンズからイメージセンサーまでの距離である「焦点距離」により変化します。焦点距離が長くなれば、距離の遠い対象物をアップで映し出せますが、撮影範囲は狭いです。

一方、焦点距離が短い場合、撮影範囲は広がるものの、遠くの対象物が小さく映り、識別が難しくなることがあります。焦点距離はレンズのタイプごとに異なり、それによって防犯カメラの撮影範囲も変わります。 以前の防犯カメラであれば、購入後でもレンズを付け替えれば画角を調整できました。しかし、現在発売されている防犯カメラの多くはレンズが内蔵されているため交換ができません。購入時に撮影範囲に問題がないかしっかりとチェックしましょう。

防犯カメラの撮影範囲とレンズの関係

防犯カメラの撮影範囲とレンズには深い関係性があります。レンズの違いで撮影範囲がどのように変わるのかご紹介していきます。

  • 標準レンズ
  • 望遠レンズ
  • 広角レンズ
  • バリフォーカルレンズ

標準レンズ

標準レンズは防犯カメラに広く使用されているレンズの一つで、画角40~50度程度、焦点距離は約50mm、レンズの厚みは4~6mmです。標準レンズでの撮影に向いているのは、建物や駐車場の出入口や限られた一部分の撮影です。

画角が広くないため、広範囲の撮影には向きません。標準レンズの防犯カメラで広大な敷地を監視するには複数のカメラが必要になり、その場合、設置コストが高額になる可能性があります。

「PTZ機能」をもつカメラを選べば、標準レンズであっても撮影範囲を広げることができます。PTZ機能付きの防犯カメラは、チルト(カメラの向きを垂直方向へ動かす)とパン(カメラの向きを水平方向へ動かす)が可能になり、広範囲をカバーできます。

望遠レンズ

望遠レンズは距離の遠い対象物を撮影する際に使用されます。車のナンバープレートの識別や、電柱に設置されたカメラで遠くの道路工事を詳細に監視する場合などにおすすめです。

望遠レンズはデジタルズームのように画質が粗くならないため、拡大しても鮮明な映像を記録できるのが強みです。

ただし、遠くの対象物をアップで映し出せますが、撮影範囲は狭くなります。

広角レンズ

広角レンズは画角が60度以上のレンズを指して呼ぶケースが多く、広範囲を撮影可能です。駐車場全体やオフィスの広い空間を捉えるのに適しており、画像の端から端までシャープに映し出せます。

さらに広い範囲を撮影できる超広角レンズや360度撮影可能な防犯カメラも登場しているので、広範囲を撮影したい方は検討してみてください。

バリフォーカルレンズ

バリフォーカルレンズとは焦点距離を調整できるレンズです。ピントを調整できるため、広範囲の撮影やクローズアップでの撮影など、さまざまな範囲に対応できます。

バリフォーカルレンズには、手動でピントを調節するタイプと自動で調節するタイプの2つがあります。撮影範囲を柔軟に調整可能である一方、初期設定が複雑、他のレンズに比べて高額などの機種が多いです。

稲沢商会では上記で紹介したさまざまな種類のレンズを搭載した防犯カメラを用意しています。PTZ機能を有するカメラも取り揃えているので、興味のある方は当社までお問い合わせください。

防犯カメラの撮影範囲の計算方法

防犯カメラの撮影範囲は、撮影対象までの距離とカメラの画角を計算することで求められます。計算方法を理解しておけば、設置後の撮影範囲がイメージしやすいでしょう。ここからは計算方法について解説します。

撮影範囲の計算式

防犯カメラの撮影範囲は以下の計算式で求められます。

【tanθ=bc/ac】

  • tanθ:防犯カメラの画角の半分
  • bc:求めたい撮影範囲の半分
  • ac:対象物までの距離

カメラの位置を起点に、撮影対象までの距離とカメラの画角をもとに撮影範囲を求めるため、三角関数を用いて求めることができます。算出した範囲は本来の撮影範囲の半分の範囲です。最後に計算式で求めた値を倍にすると水平方向と垂直方向の撮影範囲がわかります。計算式で求めた範囲は本来の撮影範囲の半分という点に注意して、以下の具体例をご覧ください。

具体的な計算方法

撮影範囲の計算前に以下の要素を調べる必要があります。

  • 撮影対象までの距離
  • 防犯カメラの水平方向の画角と垂直方向の画角

防犯カメラが海外製の場合は水平方向が「Horizontal」、垂直方向が「Vertical」と表記されていますので、確認してください。

今回は以下の数値をあてはめて計算していきます。

〇防犯カメラの画角 水平方向:90° 垂直方向:60° 〇対象物との距離10m

まずは、計算式で使用するtanθの角度を計算します。水平方向の画角は90°なので、計算式では半分の45°を、垂直方向も水平方向と同様に60°の半分である30°を使用します。

水平方向と垂直方向の角度を計算式に当てはめると以下のとおりです。

【水平方向】

tan45°=bc/10

tan45°は数字に直すと1のため、1に置き換える

1=bc/10

bc=1×10

bc=10

水平方向の撮影可能範囲は計算式で求めた数値の倍なので20mになります。

【垂直方向】

tan30°=bc/10

tan30°を計算すると0.5774のため、0.5774に置き換える

0.5774=bc/10

bc=0.5774×10

bc=5.774

垂直方向の撮影可能範囲は計算式で求めた数値の倍なので11.548mになります。今回のケースでは、水平方向20m、垂直方向11.548mまで撮影可能です。

また、販売メーカーにより、撮影範囲の計算を行うツールを公開しているので、購入元のホームページを確認してみるのもおすすめです。

【目的別】おすすめの防犯カメラの撮影範囲

目的別におすすめの防犯カメラの撮影範囲を目的別に4種類ご紹介します。

  • ナンバープレートや人物の顔を確認したい場合
  • 広い場所の防犯対策をしたい場合
  • お金の種別を特定したい場合
  • データ収集したい場合

順番に説明していきます。

ナンバープレートや人物の顔を確認したい場合

ナンバープレートや人物の顔をはっきりと識別するには、焦点距離の長い望遠レンズを搭載した防犯カメラが適しています。

標準レンズで人相を確認するためには、対象物に対してかなり近距離に設置する必要があります。しかし、それが可能になるケースはなかなかありません。

対象物との距離を適切に取りつつ、画面上に顔が認識できる程度に拡大するためには望遠レンズ付きの防犯カメラがおすすめです。

広い場所の防犯対策をしたい場合

ショッピングモールやオフィスのエントランスなど、開けた場所で防犯対策をしたい場合は、広角レンズでの撮影が必要です。

広角レンズを使用することで、駐車場やデパートなどの広いエリア全体をクリアに記録し、どの人物がどこにいたか、どの車がどの方向に移動したかといった情報を捉えられます。

そのためには、広角レンズでピントが合った映像を記録しましょう。駐車場やデパートで犯罪があった際、人物や車種が見分けられる映像があれば証拠として活用できます。

お金の種別を特定したい場合

お金の種類を特定したい場合は、望遠レンズでの撮影が必要です。レジ付近を撮影する場合は、天井に防犯カメラを設置するケースが考えられます。レジのお金と防犯カメラの距離が数mできるため、望遠レンズでズームする必要があります。

望遠レンズであれば手元の小銭でもしっかりと見分けられるほどアップにできるため、お金の管理をしたい場合におすすめです。

データ収集したい場合

デパート施設内や駐車場の混雑具合をデータ収集するには、AI機能が搭載された広角レンズ付きの防犯カメラでの撮影がおすすめです。

近年では物流システムや工事現場の管理の業務効率化のために、AI機能が搭載された防犯カメラも登場しています。AI機能を活用すれば、人件費の削減や利用者の利便性向上、業務の生産性向上につながるでしょう。ただし、防犯カメラ自体にコストが掛かる可能性があるため、費用を把握してから検討してください。

まとめ

防犯カメラの撮影範囲は画角がわかれば計算で求められます。購入前に撮影範囲を知ることで、想定していた範囲を十分に撮影できないという失敗を防げます。

稲沢商会では、セキュリティのプロである防犯設備士やメーカー経験者によるカメラ選びや防犯システムのサポートが可能です。現場での調査も可能なため、撮影範囲に関する相談もお受けできます。

防犯カメラに関する相談も受け付けておりますので、ホームページよりお問い合わせください。

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