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倉庫業務の自動化とは?メリット・方法・成功事例を徹底解説
2025年4月18日(金)

倉庫業務を自動化するための方法やメリット、各システムの特徴について解説しています。自動化に成功した事例も2例紹介しています。倉庫業務の自動化に興味のある方は参考にしてください。
倉庫業務は最新のIT技術を利用すれば、自動化できます。
自動化によりさまざまなメリットを得られますが、すべての倉庫に対して同じシステムを導入すれば良いというわけではありません。
倉庫の形や取り扱っている商品によって適した自動化は異なります。
この記事では、倉庫業務の自動化の概要やメリット、実現するためのソリューションを解説しています。
倉庫業務の自動化に興味のある方や、自社倉庫に適した自動化を実現したいと考えている方は参考にしてください。
目次
倉庫の自動化とは

倉庫の自動化とは、人手に頼っていたピッキングや梱包を機械が担い、作業の一部をロボットに任せることで、従業員の負担を減らす仕組みを指します。
近年では、トラックの荷下ろしから出庫まで、ほぼすべての工程を自動化している倉庫も登場しており、省人化と生産性向上が同時に進んでいます。
倉庫の自動化が注目される背景
倉庫の自動化が注目される理由は以下の2つです。
- 物流業界における慢性的な人手不足
- ECサイトの利用急増による物流ニーズの急増
物流業界では、トラックドライバーや倉庫内作業者の不足が深刻です。
少子化により労働人口が減ったことに加え、EC市場の拡大によって取り扱う荷物が増えたことも原因となっています。
特に、フォークリフトの運転など熟練の技術を要するポジションでは人材確保が難しく、ベテラン作業員の確保も課題となっています。 限られた人員で多くの業務をこなすためにも、ロボットやシステムを使った自動化の必要性が高まっています。
倉庫を自動化するメリット
倉庫業務を自動化するメリットは以下の4つです。
- 生産性・作業効率を向上できる
- 人件費を削減できる
- ヒューマンエラーやスキルの違いによる品質差を軽減できる
- 従業員の安全性を高められる
自社にも当てはまるメリットがあるか確認してみましょう。
生産性・作業効率を向上できる
ロボットやシステムに作業を任せることで、一定の業務量を安定して処理でき、生産性が向上します。
人手と異なり、休憩や交代の必要がなく、気温や体調の影響も受けません。
たとえば、人が作業する場合、夏や冬の厳しい気候で効率が落ちたり、体調不良で欠勤が出たりすると生産性に影響します。 自動化すれば、同じ作業量でも短時間で処理でき、組織全体の業務効率を底上げできます。
人件費を削減できる
自動化によって人手が不要な業務が増えるため、必要な人員数を見直せます。
自動化する範囲が広いほど人件費を削減でき、毎月のランニングコストが減少します。
また、自動化設備は長期間にわたり安定稼働するため、人員確保の負担も軽減できます。 人件費は企業にとって大きな固定費のひとつであり、削減できることで経営の安定にもつながります。
ヒューマンエラーやスキルの違いによる品質差を軽減できる
人の作業にはミスがつきものです。
特に新人とベテランの間で作業品質に差が出やすく、フォローに手間がかかることもあります。
一方、ロボットやシステムは同じ作業を繰り返し行うため、常に安定した品質を保てます。
指定された商品を集めるだけのピッキングであれば自動化でも十分対応できます。 人が行うと商品の取り違えや取り落としなどのミスが起きますが、自動化することで極限まで減らせます。
従業員の安全性を高められる
ロボットやシステムに危険な作業を任せることで従業員の安全性が向上します。
倉庫では、高所作業や重機の操作といったリスクの高い業務もあります。
実際に起こりうる事故としては、高所からの落下や重機との接触、操作ミスによる重機の転倒などが考えられます。
こうした作業を自動化すれば、従業員のけがのリスクを減らせるだけでなく、職場環境の改善にもつながります。 結果として、従業員の満足度が上がり、離職率の低下も期待できます。
倉庫の自動化に効果的なソリューション

倉庫の自動化に効果的なシステムや機械を7種類紹介します。
- 自動倉庫システム
- 倉庫管理システム(WMS)
- 自動搬送車(AGV、AMR、GTP)
- 自動ピッキングシステム(DPS)
- デジタルアソートシステム(DAS)
- 梱包機
- 車両入構管理ソリューション
自社に適した自動化ツールを見つけましょう。
自動倉庫システム
自動倉庫システムは、搬入から出荷まで自動で行うもので、倉庫作業の大部分を自動化できます。
自動倉庫システムにはさまざまな種類があるため、倉庫のサイズや自社で取り扱っている商品により適したシステムを選びましょう。
以下に自動倉庫システムの種類と特徴を紹介します。
種類 | 特徴 |
パレット型 | ・パレット単位で商品を保管する ・高層ラックで保管するため、天井の高い倉庫に 適している |
バケット型 | ・複数種類の商品をバケットにまとめて保管する ・取り扱い商品が多い倉庫に適している |
シャトル型 | ・保管棚をシャトルが移動しピッキングを行う ・倉庫内の限られたスペースで高密度に保管 したい場合に適している |
移動棚型 | ・棚がレールの上を移動できるため、通路の確保 が不要 ・狭い倉庫内を有効活用したいケースに向いて いる |
縦型回転式 | ・天井までのデッドスペースを有効活用できる ・商品の取り出し口が常に同じ場所なので 移動する必要がない |
冷凍・冷蔵対応型 | ・食品や薬品を保管する冷凍温度帯でも対応可能 ・商品の取り出しの際に発生する温度ロスを削減 できる |
傾斜式流動型(フローラック) | ・傾斜のついた棚に商品を保管する ・後方から補充、前方からピッキングが行える |
上記の特徴を参考に、自社の倉庫や取扱商品に適した自動倉庫システムがどれなのか選ぶと良いでしょう。
倉庫管理システム(WMS)
倉庫管理システムは倉庫内の商品を入荷から出荷まで一元管理するシステムです。
主な機能は、バーコードを端末機器で読み取って入荷情報を記録することや、保管場所を端末に表示することなど、倉庫作業のサポートです。
商品の保管場所やピッキングルートを端末に表示できるため、作業効率が向上します。
また、現在倉庫内にある商品の在庫をリアルタイムで把握できるため、過剰在庫や欠品への対応が迅速に行えます。
自動倉庫システムと名称が似ていますが、WMSは在庫の「情報管理」が中心で、物理的な搬送機能はありません。 混同しないよう注意しましょう。
自動搬送車(AGV、AMR、GTP)
自動搬送車とは、倉庫内で物の移動を自動化するソリューションです。
従業員に代わり倉庫内を移動し、商品の運搬やピッキングを行ってくれます。
主に3種類に分けられ、それぞれ走行方法や特徴が異なります。
種類 | 特徴 |
無人搬送車(AGV) | ・床に設置した誘導テープなどを認識しながら 搬送するタイプ ・決まったルートを搬送したいケースに 適している |
自律走行搬送ロボット(AMR) | ・AIカメラやセンサーを搭載し誘導体不要で 走行可能 ・複雑な通路にも柔軟に対応可能 |
棚搬送型ロボット(GTP) | ・ピッキング商品を集めて作業場所まで運ぶ ・AMRと同様に誘導体なしで自律走行可能 |
特に、広い倉庫ほど導入のメリットが大きく、大規模倉庫を保有している会社におすすめです。
自動ピッキングシステム(DPS)
自動ピッキングシステムは、商品を集める作業を人の代わりに行うシステムです。
大きく分けてピッキング作業を補助するタイプとすべての作業を自動で行うタイプの2種類があります。
ピッキングは倉庫内を歩き回るため、倉庫作業のなかでも負担の大きい業務です。
自動ピッキングシステムを利用すれば、最小限の動きで商品を集められるため、作業スピードも上がり、従業員の負担を軽減できます。 商品の集め忘れや誤った商品のピッキングがなくなり、再ピッキングの手間が省けるのも大きなメリットです。
デジタルアソートシステム(DAS)
デジタルアソートシステムは、各出荷先へ振り分ける商品の個数をデジタル表示で案内するシステムです。
従来であれば印刷されたリストを確認しながら手作業で仕分けていましたが、このシステムを導入することで、作業の効率と精度が向上します。
具体的には、従業員が商品を持ち、出荷先ごとのブースに移動すると、色分けされた表示器に振り分ける個数が示されます。
確認すべき情報は「商品」と「色」だけのため、仕分けミスが大幅に減少するでしょう。特に、仕分け対象が多い現場や仕分けミスが頻発する環境では、導入することで作業の負担を軽減できます。
梱包機
梱包機は商品を自動で段ボールや袋などに梱包する機械です。
主に以下の種類に分かれます。
- フロー包装機:食品や医薬品をシート状の包装材に詰める
- トレイシーラー:調理済みの食品や冷凍食品をトレイに密閉する
- シュリンクラッパー:プラスチックフィルムに商品を詰め熱で密封する
- カートンシーラー:段ボールを自動で組み立て商品を内部に詰め密封する
梱包機を利用することで、梱包スピードの向上のほか、常に均一な品質で梱包できるため、異物混入のリスクを軽減できます。
特に、商品の衛生面に厳しい食品や医薬品の梱包では、人の手ではなく梱包機の利用が適しているケースもあります。 もし、梱包機を導入していないのであれば、検討してみましょう。
車両入構管理ソリューション
車両入構管理ソリューションはトラック入構に関する業務を効率化するシステムです。
AI搭載のネットワークカメラがナンバープレートを自動認識し、登録済みの車両かどうかを判別します。
登録車両であれば自動でゲートが開き通過できますが、非登録車の場合はゲートが開きません。
そのため、非登録車両が来たときのみ人が対応すればよくなるため、守衛の業務の軽減ができます。
経済産業省が策定した「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」において、荷待ち・荷役時間は2時間以内とすることが定められています。
車両入構管理ソリューションを導入すれば、車両の入構時間を自動で記録でき、ガイドラインへの対応にも役立ちます。
さらに、映像解析用のサーバーが不要で、省スペースかつ低コストで導入できる点も魅力です。
初期投資を抑えながら、効率的な入構管理を実現できます。
<参考リンク>
参考:物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン
https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services/video-security/vehicle-entry
倉庫を自動化する際のポイント
倉庫業務を自動化する際のポイントを4つ紹介します。
- 自動化が必要な業務内容を把握する
- トラブル発生時の対応を定めておく
- 自動化にともなう組織体制の見直しを行う
- 導入後も効果検証・改善を継続する
ポイントを踏まえたうえで自動化に着手すれば効率的に導入できます。 順番に解説していきます。
自動化が必要な業務内容を把握する
自動化を成功させるためには、現在の倉庫業務の課題や問題点を把握する必要があります。
ロボットやシステムの導入には高額な初期費用がかかるため、すべての業務を自動化するのは現実的ではありません。
そのため、最も効果的な部分に絞って自動化するのが重要です。
現場において時間や手間がかかっている業務を洗い出し、投資対効果の高い部分に絞って導入することで、最小限の投資で生産性を大きく向上させられます。
場当たり的に自動化を進めると、費用をかけたわりに十分なメリットを得られない可能性があります。 導入前にしっかりと現状を分析し、最適な運用方法を検討しましょう。
トラブル発生時の対応を定めておく
自動化したシステムはトラブルが起きた際、一部または全体の機能が停止するリスクがあります。
従業員一人のミスであれば影響は限定的ですが、自動化された倉庫では、一部の機器の故障が業務全体の停止につながる可能性があります。
そのため、トラブル時の対応方法を周知しておかなければいけません。
自分たちでできることの範囲や、非常時の連絡先をわかるようにしておくことで早期解決につながります。 システム導入前にメーカーのサポート体制を確認しておきましょう。
自動化にともなう組織体制の見直しを行う
導入前に、人員配置や組織体制を検討しておくほか、従業員に対して説明会を開き、配慮ある対応が必要です。
倉庫作業の自動化を行うと導入以前とは働き方が変わります。
従業員が行っていた作業をロボットやシステムが代行することで、一部の業務が不要になる場合もあります。
状況によっては、従業員が別の部署へ異動するケースも考えられるでしょう。
十分な準備期間を設けずに突然異動を命じると、従業員の不満や離職につながる可能性があります。 また、新システムの導入に伴い、操作マニュアルの作成やトレーニングを実施し、スムーズな移行をサポートすることも重要です。
導入後も効果検証・改善を継続する
自動化を導入したあとは、定期的に課題や効果を検証し、必要に応じて改善を加えることが重要です。
導入したことに満足してしまうと、コストをかけた価値があったかどうか判断できません。
実際に運用してみると、当初の想定と異なり、効率が悪化したり、生産性が低下したりする可能性もあります。
検証することで、導入前に想定していた働き方よりもさらに良い案が出てくるかもしれません。 現場の意見を積極的に取り入れながら、システムの活用方法を最適化し、継続的な効果向上を目指しましょう。
倉庫の自動化にはAIネットワークカメラの活用がおすすめ
倉庫の自動化を検討している方はAIネットワークカメラの活用を検討してみてください。
AIネットワークカメラがおすすめな理由は以下の2つです。
- 場所を問わずリアルタイムに状況を確認できる
- 作業内容の記録によりさらなる業務効率化につながる
順番に解説していきます。
場所を問わずリアルタイムに状況を確認できる
AIカメラを活用した倉庫の自動化により、リアルタイムでの遠隔監視が可能です。
倉庫内の在庫状況をAIカメラによって撮影・解析することで、どこからでも最新の在庫情報を把握できます。
複数の倉庫に在庫が分散していても、移動することなく一括管理ができます。
在庫が減少すると、AIが自動で倉庫従業員や自動化システムに指示を出し、迅速な補充対応が可能です。
また、クラウドカメラを導入すれば、本社など離れた場所からでも倉庫の稼働状況をリアルタイムで確認できます。 トラブル発生時には映像を通じて現状を共有できるためスムーズな対応が可能です。
作業内容の記録によりさらなる業務効率化につながる
AIカメラにより作業内容を記録することで、さらなる業務効率化につながります。
例えば、倉庫内でシステムが停止した場合、カメラの記録を分析することで、停止の原因を特定できます。
これまで不明だったトラブルの要因を迅速に解明し、適切な改善策を講じることが可能です。
また、車両検知システムと連携すれば、施設内のトラック滞在時間を正確に記録できます。
長時間待機しているトラックの特定や、無駄な動線の把握ができ、スムーズな入構管理につながります。 AIカメラを活用することで、倉庫全体の業務改善を促進できるでしょう。
倉庫の自動化にカメラを活用している企業の事例
倉庫の自動化にカメラを活用している企業の事例を紹介します。 佐川グローバルロジスティクス株式会社と株式会社MonotaROの取り組みを見ていきましょう。
佐川グローバルロジスティクス株式会社
佐川グローバルロジスティクス株式会社では、防犯カメラの映像を活用し、倉庫内の作業効率向上を図っています。
特に梱包状況の記録によって、顧客対応の迅速化を実現しています。
例えば、消費者から「商品に問題があった」と問い合わせがあった場合、防犯カメラの映像を確認することで、どの工程で異常が発生したかの特定が可能です。
どの時間帯に梱包された商品か特定できれば、消費者からの問い合わせから返答までの時間を短縮できます。 既存の防犯カメラをうまく活用することで顧客満足度の向上が図れます。
株式会社MonotaRO
株式会社MonotaROでは、倉庫内の防犯カメラを利用したシステム停止時の原因究明を行っています。
自動化による物流ラインは生産性をアップさせますが、エラーが起きるとライン全体の稼働が止まってしまいます。
導入規模が大きければ大きいほど影響も甚大なため、エラーが起きる原因を特定し、安定稼働させることが重要です。
そこで同社では、倉庫内に2台の防犯カメラを設置し、メーカーと映像を共有することで、トラブルの根本的な解決を進めました。
実際に稼働停止の原因となっていたのは金属やゴムの縮みでした。
人が監視していても気づきにくい要因でしたが、防犯カメラで停止の瞬間を繰り返し確認することで特定に成功しています。 カメラを活用することで倉庫内を見張る人件費の削減や、稼働停止による生産性低下を防ぐことができました。
まとめ
倉庫業務の自動化は、少子化やEC需要の拡大により急務となっています。
個々の倉庫事情に適切な自動化システムを導入すれば、コスト以上の効率や生産性アップが期待できます。
特に、AIネットワークカメラは、倉庫の監視・作業記録・トラブル対応の強化に貢献する有効なツールです。
株式会社稲沢商会では、車両入構管理ソリューションを提供しており、トラックの入構管理をサポートしています。
倉庫の自動化を進める際の一つの選択肢として、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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