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フォークリフトの安全対策7選|事故事例も踏まえて解説

2025年9月1日(月)

フォークリフトの安全対策や事故事例を紹介しています。この記事を読めば安全にフォークリフトを使用する方法がわかります。物流倉庫の現場責任者や操縦者の方はぜひ参考にしてください。

フォークリフトは物流倉庫で重量物を運搬する際に、便利な重機です。しかし、その便利さの一方で、全国ではフォークリフトに関する死亡事故や接触事故が起きており、危険度の高い作業機械でもあります。

この記事では、フォークリフトの安全対策や事故の内訳、事故事例を紹介しています。 フォークリフトを使用している現場では、正しく対処しないと従業員の命を危険にさらしてしまうかもしれません。十分な安全対策を実施し、事故発生件数0件の物流倉庫を目指しましょう。

フォークリフトの安全対策の必要性

フォークリフトは工場や倉庫で重量物を運搬する際に使用する便利な重機の一種です。使用頻度が高い分、些細な油断が事故につながるリスクも高くなります。

画像出典:フォークリフト事故統計の紹介 ―厚生労働省労働災害統計より―

―厚生労働省労働災害統計より―によると、フォークリフトに関わる事故は年間約2,000件起きています。2023年のデータでは、死傷災害が1,989件、死亡災害が22件と、前年よりやや減少しているものの、依然として深刻な状況です。 事故が起きると現場が稼働停止に追いやられ、生産性が低下するだけでなく、何よりも作業員の身を危険にさらすことになってしまいます。そのため、万全の安全対策を講じ、安心して作業できる環境づくりが必要です。

安全対策を怠った場合に起こり得るフォークリフトの事故

フォークリフトで起こりえる事故は以下の3種類に分けられます。

  • 挟まれ・巻き込み
  • 衝突
  • 転倒・転落

事故の内容について順番に解説していきます。

挟まれ・巻き込み

フォークリフトと荷物や建物の間に挟まれたり、旋回しようとしたフォークリフトに巻き込まれたりするケースが挟まれ・巻き込みです。

具体的な事故事例として以下の3つを紹介します。

  • フォークリフトに積み上げた荷物の崩れを修正しようとしてマストとヘッドガードの間に挟まれ死亡
  • フォークリフトの爪を足場にトラックから荷物を降ろしている際、荷物が傾きフォークリフトと荷物に挟まれ死亡
  • フォークリフトの運転席から頭を出した状態でバックしている中、倉庫内のパレットラックとフォークリフトのボディに挟まれて死亡

挟まれ・巻き込み事故は周囲への注意不足や操縦者の慢心、誤操作が原因で起きやすいです。事故事例を踏まえたうえでの対策を講じましょう。

衝突

フォークリフトの衝突事故は、作業者による走行経路の横断やスピードの出しすぎ、ブレーキの踏み間違えで起きます。

衝突事故の事例は以下のとおりです。

  • 誘導員なしの状況で、フォークリフトを後進させた際、後ろに人がいることに気が付かずひいてしまった
  • フォークリフトの乗り換え時、荷物の陰から侵入してきたフォークリフトと衝突。現場付近はフォークリフト用と歩行者用の通路が明確に分けられていなかった

フォークリフトには死角があるため、操縦者が周囲に注意を払うだけでなく、作業補助者の設置や作業者の教育、決められたルールの遵守も重要です。ルールを決めた際にどう徹底させるかまで含めて議論しておきましょう。

転倒・転落

フォークリフトが倒れたり高所から落ちる事故です。転倒・転落の事故事例は以下のとおりです。

  • トラックからフォークリフトを降ろすため、別のフォークリフトの爪に足場を準備し、その上に車体を移動。足場を保持していたフォークリフトが前傾に傾き、運転者が地面とヘッドガードの間に挟まれ死亡
  • コンテナへの荷積み中、フォークリフトの爪にパレットを乗せ、その上に乗り2.5mの高さで作業していたがバランスを崩して転落し死亡した
  • フォークリフトで最大荷重を超える荷物を持ち上げた際、後部に人を乗せてカウンターウェイト代わりに使用。荷物を降ろす瞬間にバランスを崩し、重りの代わりに乗っていた人が下敷きになり死亡した

転倒・転落事故では、フォークリフトの操縦資格がなく、安全操作の知識がない、もしくは誤った使い方をすることで起きる事故が多いのが特徴です。

管理者は、フォークリフトを操作する従業員に対し、正規の資格取得を徹底し、定期的な安全研修を実施する必要があります。

フォークリフトの安全対策7選

フォークリフトの安全対策を7種類紹介します。

  • 危険予知トレーニングを行う
  • フォークリフト運転時のルールを徹底する
  • 歩行者用通路とフォークリフトの通路を分ける
  • 安全バーやハーネスを活用する
  • 指差し呼称・指差し確認を徹底する
  • 事故防止に役立つ技術を導入する
  • 常時きれいな環境を保つ

順番に解説していきますので、自社に取り入れられそうなものがないかチェックしてください。

危険予知トレーニングを行う

フォークリフトの事故を減らすには、事前に危険を察知する力を身につける「危険予知トレーニング」が有効です。自動車学校や免許更新の際に、免許センターで交差点や夜間運転時の事故事例や注意点について学ぶ機会があるように、フォークリフト操作時も同様の教育が必要です。

事前に、事故の起こりやすい状況を知り、「かもしれない」と想定しながら作業することで、リスクを回避できる可能性が高まります。危険予知トレーニングは、フォークリフト操縦者だけでなく、フォークリフトの近くで働くすべての従業員にとっても重要な学びです。

教育を受けていると、危険な場所に近づかなくなり、事故が起きる前に他の従業員に対して「危ない」と注意することができ、事故防止に役立ちます。結果として、職場全体の安全意識が高まり、事故の未然防止につながります。

フォークリフト運転時のルールを徹底する

フォークリフトを運転する際のルールを決め、操縦者に徹底させることで事故を起きにくくさせられます。ルールを曖昧なままにしておくと、各自の判断で運転することになり、安全意識にばらつきが出てしまうためです。

ルールの一例を以下に紹介します。

  • 走行速度は10km/h以下とする
  • フォークリフト作業エリア以外では使用しない
  • 必ず誘導員を配置する
  • 積荷運搬時はバック走行する
  • 交差点では一時停止する
  • 下り坂では必ずバック走行する
  • 作業時はヘルメットと安全靴を着用
  • 爪を出した状態で前進走行しない

上記のルールを参考に、現場ごとの環境に適したルール決めをすれば事故を抑制できます。また、ヒヤリハットや小さな事故が発生した際には、その都度ルールを見直し、改善を積み重ねていくことが大切です。

多少の手間はかかりますが、事故を防ぐためにも一度時間を設け、従業員全員でルールを話し合って決めましょう。

歩行者用通路とフォークリフトの通路を分ける

歩行者用通路と、フォークリフトの走行通路を分けることが基本です。作業現場内を歩行者が自由に行き来していると、フォークリフトとの接触リスクが非常に高まります。

そのため、歩行者用通路を決め、横断できる場所や通れる場所をはっきりさせることで、接触事故を減らせます。また、フォークリフトも決められた場所だけを通ることで、歩行者も安心して移動できるようになるでしょう。

専用通路を整備する際は、誰が見てもひと目で区別できるよう、床に色分けをしたり案内表示を設置したりする工夫が有効です。

安全バーやハーネスを活用する

フォークリフトの落下事故を防ぐために、アイテムを活用することも有効的な手段です。例えば、安全バーやハーネスは急な旋回による事故を減らせます。

また、作業者とフォークリフトを区切るための安全ガードや、フォークリフトのツメ部分に直接装着する滑り止めなどもあります。フォークリフトに接触した際のケガのリスクも軽減できるため、アイテムを利用してみましょう。

指差し呼称・指差し確認を徹底する

指差し呼称・指差し確認は、決められたルールを確実に実施するために有効な手法です。例えば、交差点が見えた時点で指差しながら「交差点、一時停止」と声に出すことで、確実に実施できます。

指差し呼称・指差し確認が必要な理由は、フォークリフト作業に慣れてくると緊張感が薄れ、注意力が低下する傾向があるためです。経験年数が長く、無事故の操縦者ほど「自分は大丈夫」と慢心してしまい、交差点の一時停止や後方確認を怠り危険運転をしてしまう傾向があります。

慢心による事故を未然に防ぐため、指差し呼称・指差し確認を徹底し、事故発生の予防を図りましょう。

事故防止に役立つ技術を導入する

フォークリフトの事故防止に役立つ技術を導入するのもおすすめです。主な事故防止技術を紹介します。

  • 速度制限装置
  • 警報器
  • LEDライト
  • AIカメラ

機器を導入する場合、フォークリフトだけでなく導入した機器のメンテナンスも必要です。定期的にメーカーのメンテナンスを受け、正常稼働することを確認しましょう。

速度制限装置

フォークリフトの速度を制限することで、操作ミスによる事故の被害を抑えられます。工場内で「時速10km以下」とルールを定めていても、目視では速度を判断しづらく、操縦者本人もスピードを出している感覚がわかりにくいのです。

速度制限装置の導入により、設定以上のスピードが出ないよう自動制御が働くため、操縦者の注意力に頼らずに安全性を保つことができます。また、速度超過の兆候が可視化されると、周囲の作業者も危険に気づきやすくなり、事故予防につながります。

警報器

フォークリフトに警報装置を取り付けることで、操縦者のミスや異常操作を未然に防ぐことが可能です。例えば、エンジン始動時にメロディーが鳴ったり、バック走行時にブザーを鳴らしたりできます。

また、操縦者本人だけでなく、周囲の作業員にも注意を促すことができるため、巻き込み事故減少に効果的です。

LEDライト

フォークリフトの作業現場では、騒音や暗がりによって周囲の状況がわかりにくくなることがあります。そうした環境では、フォークリフトの先端や周囲の床面にLEDライトや反射板を設置することで、作業者や歩行者がフォークリフトの存在を視覚的に認識しやすくなります。

音だけでなく、光による注意喚起を取り入れることで、作業音の大きい場所でも事故の抑制が可能です。

AIカメラ

作業中の様子をAIカメラで確認することも作業の安全確保に役立ちます。カメラの映像を確認することで、事故につながりやすい業務や、危険なエリアなどを把握でき、事故対策・現場改善がしやすくなります。

また、AIカメラに動体検知のアプリケーションをインストールすることで、さらなる危険防止効果の向上が可能です。フォークリフト専用エリアに歩行者が誤って侵入した場合、AIが即座に人物を検知し、パトランプなどで警告を出します。操縦者の視界外にいる歩行者の存在にも気づくことができ、接触事故の防止につながります。

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常時きれいな環境を保つ

作業現場は常に整理整頓されてなければいけません。先で説明したとおりに、専用通路を設けたとしても歩行者用通路に荷物が置かれていれば、歩行者は通行できずにフォークリフト用通路へはみ出してしまう可能性があります。

せっかく専用通路を作っても、作業現場が散らかっていては効果を発揮しません。

また、フォークリフトの死角に荷物が置かれていると、転倒や衝突といった事故のリスクも高まります。反対に、整理された環境では死角が減り、操縦者の視認性も高まります。

作業現場は整理整頓を常に心がけ、安全対策が機能する現場づくりを、従業員全員で意識しましょう。

まとめ

フォークリフトは物流倉庫で重宝される便利な重機ですが、同時に接触や転倒による事故リスクも伴います。安全な職場環境を守るには、正しい知識と対策の実施が欠かせません。安心安全に働ける現場づくりのため、適切な安全対策を実施し従業員や操縦者を守りましょう。

株式会社稲沢商会では、物流倉庫に設置するAIカメラを提供しています。広範囲な監視や倉庫内の不正侵入のリアルタイム監視とアラーム機能により、異常の早期発見と対応が可能になります。

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