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チョコ停とは?ドカ停との違いや原因・対策を徹底解説。IoT活用による改善事例も紹介
2026年1月29日(木)
製造現場の生産性を阻害する要因として、現場担当者が最も頭を悩ませるのが「チョコ停」です。一つひとつは短時間の停止であっても、積み重なれば莫大な損失を生む要因となります。本記事では、チョコ停とドカ停の定義の違いから、経済的損失の算出法、最新のネットワークカメラを活用した改善手法まで、工場長や生産管理担当者が知っておくべき情報を網羅して解説します。
目次
チョコ停とは?ドカ停との違いは?定義と発生要因

製造現場で日常的に飛び交う「チョコ停」という言葉ですが、その定義を正しく理解することが改善の第一歩です。
チョコ停の語源と定義
「チョコ停」とは、「チョコっと停止する」という現場の俗称が広まったもので、JIS(日本産業規格)では「小故障」として規定されています(出典:JIS Z 8141 : 2001 生産管理用語 設備管理 番号6108)。定義によれば「設備の部分的な停止、または設備の作用対象の不具合による停止で、短時間に回復できる故障」を指します。一般的には数十秒から10分程度の停止で、部品交換や専門業者による修理を伴わず、現場の作業者がその場で復旧できるレベルのものを指します。
ドカ停との本質的な違い
これに対し「ドカ停」は、設備が「ドカっと」長時間停止する重大な故障を指します。
● チョコ停(小故障): ワークの詰まり、センサーの誤検知など。復旧は数分以内。
● ドカ停(大故障): モーターの焼損、基板の故障、治具の破損など。復旧には数時間〜数日を要し、部品交換や専門保全担当者の介入が必要です。
16大ロスにおける位置づけ
TPM(全員参加の生産保全)の概念では、生産効率を阻害する要因を「16大ロス」として分類します。この中で、チョコ停は「チョコ停・空転ロス」に分類されます。これは、設備が物理的に完全に停止していなくても、空回りをしたり一時的に動作が止まったりすることで生じる「性能ロス」の一種です。
放置が招く「ドカ停」への発展リスク
チョコ停は「すぐに直るから」と放置されがちですが、これこそが最大の罠です。頻発するチョコ停は、設備内部での微細な摩耗やズレ、油切れなどのサインであることが多く、放置し続けることで最終的に取り返しのつかない致命的な故障(ドカ停)へと発展します。ハインリッヒの法則と同様に、1件の大故障の影には300件のチョコ停が潜んでいると考えるべきです。
【チョコ停・ドカ停】経済的損失の可視化
チョコ停の恐ろしさは、その損失が「目に見えにくい」点にあります。短時間の停止が1日に何度も繰り返されることで、年間では驚くべき金額の機会損失を生んでいます。
性能稼働率(OEE)を低下させる「性能ロス」の罠
設備管理の指標であるOEE(設備総合効率)において、チョコ停は「時間稼働率」ではなく「性能稼働率」を大きく引き下げます。
● 時間稼働率= 稼働時間 ÷ 負荷時間
○稼働時間:負荷時間-計画停止時間-停止ロス時間
○負荷時間:1日または月間を通じて設備が稼動しうる時間
● 実態に即した計算: 稼働時間 ÷(負荷時間 + チョコ停時間)
例えば、下記の場合
負荷時間:24時間
計画停止時間:2時間
停止ロス時間:2時間
性能ロス時間:4時間→チョコ停が3時間
従来の計算では稼働率約83%と算出されますが、チョコ停を考慮すると実態は約74%まで低下します。この「9%の乖離」が、現場が把握できていないロスの正体です。
【計算式】年間の累積損失額を算出するシミュレーション
経営層に改善を具申する際、以下の計算式を用いると説得力が増します。
損失金額 = チョコ停時間 × 時間あたりの理論生産個数 × 製品単価
【シミュレーション例】
- 単価10円の電子部品を、毎分100個生産するライン
- 1回10分のチョコ停が、1時間に1回発生
- 1日24時間、年間300日稼働
この場合、1回あたりの損失は10,000円ですが、1日では240,000円、年間では約7,200万円〜もの損失に達します。これは最新のIoT設備やAIカメラを導入しても十分にお釣りが来るほどの金額です。
チョコ停・ドカ停が発生する主な原因(4M分析)
改善を効率的に進めるため、原因を4M(Man, Machine, Material, Method)の視点で整理します。
機械的・環境的要因(Machine):センサーと清掃
チョコ停の約大半は、センサーの誤検知や清掃不足による物理的干渉です。
● センサーエラー
光学センサーに粉塵が付着したり、反射板がわずかにズレたりすることで、ワークがないのに「異常あり」と判定されるケース。
● 清掃不足
金属加工時の削りくず(バリ)の噛み込みや、油煙による摺動部の動作不良が一時的な過負荷を招きます。
人的・運用的要因(Man & Method):スキルとバランス
● 作業員のスキル格差
熟練工なら未然に防げる供給ミスも、経験の浅い作業員ではチョコ停の原因となります。
● 不適切なラインバランス
前工程と次工程の速度差により、ワークが滞留してセンサーが停止をかけたり、逆に供給不足で空送りが起きたりする「編成ロス」が頻発します。
材料要因(Material):品質のバラつき
● 仕掛品の不良
前工程での寸法精度が不安定だと、自動機でのピックアップミスや治具への引っ掛かりが誘発されます。
チョコ停対策:現場で今すぐできる具体的な改善策と標準化

即効性のある対策として、以下の「守り」の改善を徹底します。
5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の徹底
清掃は点検でもあります。汚れを拭き取る際に、ネジの緩みや配線の被膜破れ、センサーの汚れに気づく仕組みを作ります。清掃チェックリストを設備ごとに整備し、3M(ムリ・ムダ・ムラ)を排除します。
標準作業書と動画マニュアルの活用
「誰がやっても同じ結果になる」ように、復旧作業の手順を標準化します。特に言葉で伝えにくいタイミングや感覚的な調整は、タブレット端末を活用した動画マニュアルに落とし込むことで、属人性を排除し復旧時間を短縮できます。
予防保全(TPM)のルール化
壊れてから直すのではなく、壊れる前に直す体制を構築します。部品の摩耗限界をあらかじめ数値化し、「〇万ショットで交換」という定期保全のスケジュールを管理します。
運用定着と継続的改善:分析と現場改善活動の回し方
対策を一過性のものにしないためには、データの集計とKPIの設定が不可欠です。
記録・報告フォーマットの標準化
手書きの日報では、忙しい時期に「1分程度の停止」は無視されがちです。「正の字」で回数だけを記録する簡易的なワークシートや、ボタン一つで停止理由を記録できるデジタル日報を導入し、データ収集の負荷を軽減します。
KPI設計と優先付け(パレート解析)
集計したデータから「どの設備で」「どの原因が」最も多いかを分析します。発生件数の上位2割の原因を解決すれば、全体の8割の停止を削減できるというパレートの法則に従い、優先的にリソースを投入します。
ネットワークカメラによるチョコ停の「見える化」と「改善」

アナログな記録には限界があります。真の解決には、最新のテクノロジーを活用した「客観的なエビデンス」が必要です。
そもそもPLCログとは
PLCログとは、工場の設備を制御する「頭脳」であるPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)が記録する、デジタルな稼働履歴のことです。具体的には、センサーの検知信号、モーターの動作状況、エラーコードの発生、およびそれらが生じた正確な時刻(タイムスタンプ)が記録されています。
PLCログとは、いわば設備の「電子的な足跡」であり、不具合が起きた際に「どの信号に異常が出たか」を後から追跡するための重要なデータです。
デジタルとアナログの完全一致
これまでは、PLCログで「エラー」を確認しても、実際に現場で何が起きていたかは目視で確認するか、長時間録画されたビデオから該当箇所を必死に探すしかありませんでした。 最新のシステムでは、PLCから発報されるアラーム信号をトリガーにして、AIカメラがその前後の映像を自動的に切り出します。これにより、ログ上のエラー発生時刻と、映像上の不具合の瞬間を瞬時に照合できるようになります。
導入による改善効果
原因究明時間の劇的短縮
PLCのタイムスタンプと映像が同期しているため、管理者は即座に不具合の「瞬間」へアクセスが可能です。これにより、原因究明にかかる工数を大幅に削減する効果が期待できます 。
再現困難な不具合の解明
「たまにしか起きない」「作業員が見ている時には起きない」といった再現性の低いチョコ停も、映像で「証拠」が残るため、根拠に基づいた恒久対策(プログラムの修正やメカの微調整)が可能になります。
属人化の解消
熟練者の「勘」に頼っていた異常原因の推測を、誰もが映像で確認できる「事実」に置き換えることができます。
現場の安全と品質を守るためのリスク管理

チョコ停対策は、生産性向上だけでなく、従業員の生命と企業の信頼を守るための活動です。
復旧時の「残圧」による労働災害リスク
最も危険なのは、チョコ停の復旧作業です。「数分で終わるから」と安全装置を無効化したり、電源を切らずに手を入れたりするケースがあります。詰まったワークを取り除いた瞬間に、シリンダーの「残圧」によって設備が猛スピードで動き出し、手指を挟まれる重篤災害が後を絶ちません。
品質変動と歩留まり低下
頻繁な停止は品質を不安定にします。例えばプラスチック成形機では、チョコ停中に加熱シリンダー内の樹脂が熱劣化し、再開後に「焼け」や「寸法不良」が発生します。チョコ停1回につき数個の不良品が出る場合、歩留まり率は劇的に低下し、廃棄コストを増大させます。
まとめ
チョコ停とドカ停の対策は、単なるメンテナンスの領域を超え、工場の利益率を左右する経営課題です。一見小さな「ちょこっと停止」の裏には、年間数千万円の損失や重大な事故のリスクが潜んでいます。これらを克服するためには、5Sや標準化といった地道な活動に加え、客観的なデータを自動収集する仕組みが不可欠です。
近年当社ではi-PRO製のAIカメラを活用したソリューションが注目されています。AIプロセッサーを搭載した最新のネットワークカメラは、単なる「録画」に留まらず、人や物の動き、滞留を自動で識別。チョコ停が頻発するポイントを24時間監視し、異常をリアルタイムで通知・記録します。
また、遠隔監視とクラウド録画を組み合わせれば、管理者は現場に張り付くことなく、スマホやPCから迅速な指示出しと原因究明が可能になります。PoE給電対応であれば、複雑な配線工事なしに既存の工場へ容易に導入でき、セキュアな環境で稼働データを蓄積できます。
「防犯のみならず、生産性向上と業務効率化を実現するパートナー」として、こうした最新のネットワークカメラシステムを検討してみてはいかがでしょうか。稲沢商会では無料相談やデモ機の実演を通じて、まずは自社の現場に潜む「見えない損失」を映し出すことから、真の工場改善を始めませんか?
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