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物流業界のAI活用事例10選!業務別に紹介
2025年5月27日(火)
物流業界でAIを活用して業務効率を改善している事例を倉庫業務・検品業務など業務内容別に紹介しています。物流業界で業務改善が必要な理由について解説しているので、自社倉庫でAIを活用したいと考えている方は参考にしてください。
近年、物流業界では人手不足にともない、AIを活用した業務効率化や業務改善に注目が集まっています。特に大手物流会社ではAIシステムを活用して業務効率を向上させています。
もし、倉庫で働く人材確保が難しいと感じているのであれば、AIの活用に着手してみるのはいかがでしょうか?
この記事では、実際に行われたAI活用事例を10例紹介し、AI活用の必要性やメリットについても解説します。
AI活用に興味があるけど、具体的に何をすればいいのかわからないと悩んでいる方は参考にしてください。
目次
物流業界におけるAI活用の必要性

多くの業界で人手不足が深刻化する中、物流業界も例外ではありません。今後はさらにこの傾向が進むと予測されています。
以下のグラフは、1980年から2030年までの運転従事者の推移です。

さらに、EC市場の拡大により物流需要が増加しており、配達日指定や再配達による業務負担の増加も課題となっています。
また、時間外労働を減らすための取り組みも求められています。運送ドライバーにおいては働き方改革により時間外労働の上限が960時間に設定されました。
こうした環境下で、限られた人員でも効率的かつ正確に業務を遂行することが求められています。従業員の安全を守りながら業務負荷を軽減するためにも、AI活用の必要性が高まっているのです。
物流業界でのAI活用がもたらす効果
物流業界でAIを活用するメリットや得られる効果には以下の3つがあります。
- 無人化・自動化による従業員の負担軽減
- コスト・リソースの最適化が可能になる
- 従業員の安全を確保できる
順番に紹介していきます。
無人化・自動化による従業員の負担軽減
物流業界では、長時間労働や過酷な作業環境が人手不足の原因となっています。そこでAIを活用すれば、業務の無人化・自動化が可能となり、人手不足でも生産性の向上が見込めます。
重い荷物の持ち運びや負担が大きく単純な繰り返し作業をAIに任せることで、従業員の肉体的・精神的負担を軽減可能です。
業務の無人化や自動化は、時間外労働の短縮や働き方改革の推進にもつながります。
倉庫業務の自動化について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
コスト・リソースの最適化が可能になる
AIの導入により作業を自動化できれば、従来人手に頼っていた業務を効率化でき、少人数での対応が可能になります。そのため、人件費の削減だけでなく、教育コストの削減のほか、適切な人員配置を実現できるでしょう。
また、AIによるデータ分析・予測機能を活用することで物流量の推移や、配送ルートにおける交通量・渋滞の予測も可能です。在庫管理や配送ルートの最適化により、物流業務だけでなく組織全体の運用コスト削減にもつながります。
従業員の安全を確保できる
物流現場では、重機の操作や荷物の積み下ろしなど、常にリスクがともないます。従業員がけがをしてしまうと、本人の負担だけでなく、現場全体の生産性にも悪影響を及ぼしかねません。
AIを導入することで、作業環境の異常や不自然な動きを検知し、事故やケガの予防が可能です。従業員の安全性を確保しながら、スピーディで安定した業務遂行が可能になります。
倉庫作業の安全対策については以下の記事もぜひご覧ください。
物流業界におけるAI活用事例
物流業界でのAI活用事例を以下の業務別に紹介していきます。
- 倉庫業務
- 検品業務
- 配送業務
- 顧客対応
AI導入を検討している業務における活用事例を確認し、参考にしてください。
倉庫業務での活用事例
倉庫業務における活用事例は以下の3つです。
- フォークリフト危険運転検知システムの導入
- 貨物量予測システムの活用
- ピッキングロボットによる倉庫業務の効率化
順番に紹介していきます。
フォークリフト危険運転検知システムの導入(富士通×サントリーロジスティクス)
サントリーロジスティクス株式会社では、フォークリフトの安全運転評価業務を効率化するフォークリフト操作のAI判定システムを導入しました。
倉庫内でのフォークリフト作業には、操縦者自身だけでなく周囲の作業員にも重大事故のリスクが伴います。
フォークリフト操作のAI判定システム導入により、「ながら操作」「左右確認不足」「一時停止の確認不足」などの危険運転を検知できるようになりました。
また、運転中の安全運転時間から安全係数を算出し、危険運転のシーンや根拠は管理者に共有されます。運転者本人も検知内容を客観的に把握できるため、組織全体の安全意識向上につながります。
サントリーロジスティクス様において、フォークリフト操作のAI判定システムにより安全運転評価業務を効率化 : 富士通株式会社
貨物量予測システムの活用(エクサウィザーズ×ヤマト運輸)
ヤマト運輸株式会社では2020年より貨物量予測システムの活用を進めています。貨物量予測システムとは、AIが過去の集荷量や配送量、配送先データをもとに、各倉庫の貨物量を予測するものです。
過去数年間分の集荷量・配送量・配送先データをAIが分析することで、各倉庫にいつ、どのくらいの商品が届くかを予測できるようになりました。また、蓄積したデータをAIが学習すると、予測精度が上昇し、正確に商品量を把握することが可能です。
AIの情報をもとに荷物量に応じたシフト作成が可能となり、積み荷の受け取りやピッキング作業に必要な人数を適切に管理できるようになりました。貨物量予測システムにより、残業時間の削減や従業員の負担軽減が実現されています。
ヤマト運輸、MLOpsで経営リソースの最適配置を実現「お手本がないものを1から作り上げ、機械学習モデルの運用安定と高速化を勝ち取った」 - 株式会社エクサウィザーズ
ピッキングロボットによる倉庫業務の効率化(ラピュタロボティクス×日本通運)
日本通運株式会社では、ピッキングロボットを導入しています。AIロボティクスを活用したピッキングでは、ロボットが商品を目的地まで運搬し、次のピッキング場所も指示します。そのため人が台車やハンディを使って移動する必要はありません。
従来はピッキング用の台車を棚にぶつけないように動かし、商品を落とさないよう細心の注意が求められていましたが、ロボット導入により精神的にも作業負担が軽減しました。
ピッキングロボットは、センサーで人を検知すると自動で停止する仕組みを備えており、通路が狭い倉庫内でも安全に作業を進めることが可能です。結果として、業務の安全性と効率性がともに向上しています。
物流業界が「協働ロボット」で変わる!|ラピュタロボティクス株式会社
検品業務での活用事例
検品業務における活用事例は以下の3つです。
- スマホによる商品情報読み取り
- AI画像認識技術を利用した自動検品
- 商品の自動封函の異常を検知
順番に紹介していきます。
スマホによる商品情報読み取り(Automagi)
Automagi株式会社では、スマートフォンによる商品ラベルの読み取りを可能にするAIソリューションを開発しています。従来はバーコード以外の情報を手入力していましたが、この技術により入力作業が不要になりました。
Automagi株式会社が開発したAIソリューションは、写真を撮るだけでAIが文字を認識し品番やサイズ、数量などの情報を読み取りできるサービスです。95%以上の認識精度を誇り、ラベルの種類を問わず使用できるため、誰でも簡単に操作が可能です。
さらに読み取った情報を自動登録する機能も搭載し、入出荷検品業務を大幅に効率化しています。
検品業務を効率化! 商品パッケージやタグをスマホのカメラで認識する AI画像ソリューションを提供開始|Automagi株式会社
AI画像認識技術を利用した自動検品(NTTロジスコ)
株式会社NTTロジスコでは、レンタル機器の再利用に伴う、クリーニング・動作点検・再生品セット化業務においてAI画像認識技術を導入しています。
これまではクリーニング済みの機器に貼られていない製造番号を目視で確認し、物品コードを特定していました。その際、目視による読み取りミスや選定ミスを防ぐため、複数回の検品作業が必要となり、作業負担が課題となっていました。
そこで、AI画像認識技術を利用して、製造番号を読み取りだけでなく、自動検品まで可能にしました。AI画像認識システムを導入後、1人あたりの処理台数の生産性が60%アップし、検品ミスは0%を実現しました。
「AI画像認識技術を用いた自動検品システム」の導入について ~生産性 60%向上と検品ミス 0%を実現
商品の自動封函の異常を検知(CAC×三井物産グローバルロジスティクス)
三井物産グローバルロジスティクスでは、自動封函システムにAIカメラを導入し、封函異常の検知を自動化しています。
以前はまれに内フタの折れや箱の潰れといった不具合を目視で確認していましたが、納品書の破損までは把握できず、再封函時には倉庫管理システムの情報修正が必要でした。
AIカメラによる監視を導入したところ、異常を即座に検知し、その場でレーンを停止させ、不具合のある箱を迅速に取り除くことが可能になりました。倉庫システムへの情報修正も不要になり、作業効率が大幅に向上しています。
導入事例-三井物産グローバルロジスティクス様(自動封函時の異常検知AIアプリケーション)
配送業務における活用事例は以下の2つです。
- 配送伝票入力業務の自動化
- AI配車システム
順番に紹介していきます。
配送伝票入力業務の自動化(佐川急便)
佐川急便株式会社では、これまで配送伝票の情報をすべて手入力で処理しており、繁忙期には100万枚以上にのぼる伝票処理が社員の大きな負担となっていました。加えて、入力ミスや従業員ごとの作業量のばらつきも課題となっていました。
そこでAIによる文字認識技術を活用した自動入力システムを導入し、課題解決に取り組みます。AIによる文字認識は、99.995%という高精度で伝票の文字を読み取り、自動入力が可能となりました。
システム導入により、月間約8,400時間の作業時間削減を見込んでおり、人手を他の業務へ振り分けることが可能となりました。AIによる自動入力システム導入の結果、伝票入力業務以外の業務に人員導入でき、他の業務効率や生産性向上も実現できています。
【SGシステム】佐川急便の配送伝票入力業務を自動化するAIシステムが本稼働 | お知らせ
AI配車システム(ヤマト運輸)
高齢化が進む日本では、物流業界でも人手不足が深刻化しています。特に長距離ドライバーの確保が課題となっており、ヤマト運輸株式会社ではAI配車システムの導入を進めていました。
AIによる配車システムは、販売実績や商品特性、需要トレンドなどのデータをAIが蓄積・分析することで、顧客ごとの注文数や配送確率、納品時の滞在時間まで予測可能です。膨大なデータを分析し、無駄のない配車計画を自動で立案してくれます。
AIによる配車計画を活用することで、トラックの台数や到着時間の最適化が可能になり、待ち時間の削減や不要な配車依頼を防止できています。
ビッグデータ・AIを活用した配送業務量予測および適正配車のシステム導入について― アルフレッサとヤマト運輸によるヘルスケア商品の共同配送スキーム構築の第一弾 ― | ヤマトホールディングス株式会社
顧客対応での活用事例
顧客対応における活用事例は以下の2つです。
- AIオペレーターによる集荷対応
- チャットボットによる顧客対応
順番に紹介していきます。
AIオペレーターによる集荷対応(ヤマト運輸)
ヤマトホールディングス株式会社では、新型コロナウイルスの影響で、コールセンターの人員を削減せざるを得ず、対応能力が大きく低下しました。もともと需要に応じた柔軟な人員調整が難しいという問題も抱えていました。
そこで導入されたのが、AIオペレーターによる集荷対応です。人による対応は、AIで処理できないケースや特別な選択肢を選んだ場合のみに限定されました。AIが集荷依頼の対応を担うことで、待ち時間が短縮され、スタッフの負担も軽減しています。
その結果オペレーターが1件ごとの対応に時間をかけられるようになり、利用者の満足度向上にもつながりました。
4月23日(金)より、個人のお客さまからの電話による集荷依頼を「AIオペレータ」が対応 | ヤマトホールディングス株式会社
チャットボットによる顧客対応
TDSE株式会社では、配送中のドライバーの負担軽減を目的に、対話型AIチャットボットを導入しています。再配達依頼や配達状況確認といった簡単な問い合わせは、ドライバーではなくチャットボットが対応する形になりました。
AIチャットボットは24時間365日稼働し、配達時間の変更や再配達受付などをスムーズに処理できます。ドライバーは運転や配達を中断することなく業務に専念できるため、作業効率が向上しました。
結果として、より短時間で多くの荷物をさばける体制が整いました。
物流業界でAIを活用する際のポイント

物流業界でAIを活用する際には以下のポイントに気を付けてください。
- 導入・運用資金を確保しておく
- AI運用に向けた組織体制の構築・ルールの整備を行う
これから説明するポイントを踏まえたうえでAIの活用を行いましょう。
導入・運用資金を確保しておく
物流業界でAIを導入する際は、あらかじめ導入・運用資金を確保しておくことが重要です。AIシステムやロボットの導入には、システム構築や機器購入などで高額な初期費用がかかります。
ライセンス料や月額料金といった運用コストも継続的に発生するため、導入後の毎月の支出は今より増加する可能性があります。
ただし長期的には業務の効率化や人件費の削減などで、初期投資を上回る効果を得られる可能性があります。導入前には費用対効果をシミュレーションし、投資判断を慎重に行ったうえで、あらかじめ導入・運用資金を確保しておきましょう。
AI運用に向けた組織体制の構築・ルールの整備を行う
AIを活用する際は、AIの運用に対応した組織体制やルールの整備が不可欠です。
AIが業務の一部を担うと、人とAIの役割分担やフローの見直しが必要になります。加えて、システム間の連携や情報の一元化を進めるには、これまでの運用ルールの刷新が必要になる場合もあります。また、現場の従業員がAIを正しく扱えるようにするためには、研修やマニュアルの整備といった教育体制の構築も重要です。 さらに、AI導入後はサイバー攻撃や誤作動リスクにも備えなければなりません。組織全体でAI運用への理解と準備を進めることが、より効果的な活用につながります。
物流業務を効率化するならAIカメラの活用がおすすめ
物流業界でAI活用を進めるなら、まずはAIカメラの導入を検討するのがおすすめです。実際に「AI画像認識技術を利用した自動検品」や「商品の自動封函の異常検知」など、効果的な事例が増えています。
AIカメラを活用すれば、現場映像から事故リスクや作業ボトルネックを把握できるため、自社に必要な対策を的確に判断できます。録画データを分析することで、ピッキングロボットやAI配車システムの導入など、自社倉庫に必要な対策を的確に判断できます。
導入すべきAIソリューションの優先順位もつけやすくなり、限られたコストを最も効果的な領域に集中投下できるでしょう。
さらに、AIカメラは遠隔でのリアルタイム確認やデータの蓄積・分析にも役立ちます。組織体制やルール整備に向けた判断材料を得られるほか、継続的な現場改善にも役立ちます。
このように、AIカメラの導入は、物流現場の現状把握と今後のAI導入計画の土台づくりに直結します。段階的かつ効率的にAI活用を進めるためにも、まずはAIカメラ導入からスタートしましょう。
倉庫業務の効率化については以下の記事で解説しています。
まとめ
物流業界では、人材不足を背景に、AIを活用した業務効率化や自動化が求められています。本記事では、業務別に10種類の具体的な活用例を紹介してきました。
導入・運用資金の確保や組織体制づくりといったポイントを踏まえたうえで、まずはAIカメラを設置し、現場の課題を明確にすることをおすすめします。そのうえで、自社に最適なAIソリューションの選定と導入を段階的に進めていきましょう。
株式会社稲沢商会では、AIカメラの設置や、車両入出庫管理ソリューション、危険エリア管理支援ソリューションなど、物流業務の効率化をサポートする各種サービスを提供しています。 興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
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