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トラックバースとは?役割や効果的に活用するためのポイントを解説

2025年9月29日(月)

トラックバースの役割や用途、抱える課題や活用ポイントを詳しく解説しています。物流倉庫の運営担当者や運送会社の管理職の方にとって、参考になる内容になっているのでご覧ください。

物流倉庫や配送センターに欠かせない「トラックバース」は、荷物の積み下ろしを行う専用スペースのことを指します。作業効率の向上や安全性の確保に役立つため、「自社の課題をトラックバースで解決できないか」と考えたこともあるでしょう。

しかし、トラックバースの活用は人手不足や荷待ちといった課題も抱えています。

本記事では、トラックヤードやプラットフォームとの違いをはじめ、トラックバースの役割や用途、種類、トラックバースが抱える課題や効率的に活用するポイントまで詳しく解説しています。

物流倉庫の運営担当者や運送会社の管理職の方にとって、参考になる内容になっているのでご覧ください。

トラックバースとは

トラックバースとは、物流倉庫や配送センターに設けられた、荷物の積み下ろしのためにトラックが停車する専用スペースです。トラックバースの名称は、船舶が停泊し貨物を積み下ろす場所を意味する「バース(Berth)」に由来しているといわれています。

入出荷作業を効率的に行うために欠かせない設備であり、スムーズな物流の流れを支える重要な役割を担っています。

ここでは、よく似た名称の「トラックヤード」と「プラットフォーム」との違いを整理してみましょう。

トラックヤードとの違い

トラックヤードとは、トラックバースを含めた敷地全体の広いスペースのことを指します。

具体的には、トラックが施設に到着してから荷物を積み下ろし、作業を終えて敷地を出ていくまでに必要な動きを行える空間です。

荷物の積み下ろし専用の場所がトラックバースであるのに対し、トラックヤードは車両の出入りや移動、他の輸送手段との積み替えなど、もっと広い役割を持っている点が特徴です。 また、対象となる敷地の広さも大きく異なります。

プラットフォームとの違い

プラットフォームとは、倉庫や物流拠点で荷物の積み下ろしや運搬、ピッキングといった作業を行うために設けられた台状の設備です。

倉庫の床面をトラックの荷台と同じ高さに合わせ、フォークリフトを使わなくても人の手で直接作業ができるように設計されています。

倉庫内と外部をつなぐ動線の分岐点として機能するほか、冷蔵・冷凍など温度帯を区切る境界としても活用され、商品の品質保持にも役立っています。

トラックバースの役割

トラックバースの役割は荷役作業の円滑化と安全に荷役作業を行うことです。役割を理解することで、記事後半で紹介する活用ポイントから自社に合った方法を見つけやすくなるでしょう。

積み下ろしスペースの確保による荷役作業の円滑化

トラックバースは、物流における荷物の積み下ろしを行う拠点として非常に重要なスペースです。トラックが決められた場所に停車し、計画的に荷物の積み下ろしを行えるため、配送の効率が大きく高まります。

荷物の移動がスムーズになると、仕分けや出荷といった後工程にもすばやくつながり、物流全体の流れが効率化されます。作業スピードを安定させ、無駄な待機時間や混雑を減らすために、専用のバースを活用することが欠かせません。 もしトラックバースがなければ、積み下ろし場所が都度変わったり準備に手間がかかったりして、作業の効率が大きく低下してしまうでしょう。

安全な荷役作業の実現

トラックバースを設置することで作業エリアが明確に区分され、トラックが停車する場所と荷物を扱う場所を分けられるため、荷役作業の安全性が高まります。また、接触事故やヒヤリ・ハットの発生を防ぐ重要な役割も果たします。

さらにトラックが適切に誘導される仕組みを整えることで、作業員は安心して作業に集中でき、安全性の向上と同時に荷役作業全体の効率化も可能です。 倉庫作業の安全対策について知りたい方は以下の記事をご覧ください。

倉庫作業の安全対策9選!重要性や知っておくべき法則も紹介

トラックバースの種類

トラックバースの種類は高床式と低床式の2種類あり、それぞれにメリットとデメリットがあります。以下を参考に、自社の条件に合う方式を検討してみてください。

高床式倉庫

高床式倉庫とは、作業場の高さがトラックの荷台と同じになるように設計されたトラックバースです。荷物の積み下ろしを直接行えるため、フォークリフトや台車の出入りもスムーズで、作業効率を大きく高められるのが特徴です。

床が地面より高い位置にあることで、砂やほこり、さらには雨水の侵入を防ぎ、荷物を清潔で安全に保管できます。また、荷物を持ち上げる動作が減るため作業員の負担が軽減され、安全性向上にもつながるでしょう。 ただし、建築費用が高い傾向にあり、誰でも設置できるというわけではないのがデメリットです。

低床式倉庫

低床式倉庫とは、作業場の高さが地面と同じになるように作られたトラックバースのことを指します。トラックが倉庫内に入り込めるため、雨天や雪などの悪天候でも荷物を濡らすことなく作業できるのがメリットです。

また、高床式倉庫と比べて費用が安く、導入できる事業者が多いのも特徴です。運送業や配送業で広く利用され、EC物流センターでの採用が増えています。 しかし、大雨による浸水リスクがあるため、立地条件や浸水対策を実施する必要があります。

トラックバースが抱える課題

トラックバースの現場で深刻な課題となっているのが、「荷待ち時間の発生」です。荷待ち時間とは、トラックが到着してから荷物の積み下ろしを開始するまでの待機時間のことです。

現場の作業効率や人件費に大きな影響を及ぼします。主な要因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 到着時間のずれ:渋滞や遅延で予定外にトラックが集中
  • 倉庫との連携不足:出荷準備が間に合わずトラックが待機
  • トラックバースの広さ不足:出入りが重なり、回転率が低下

こうした要因が重なり荷待ち時間が生じると、ドライバーの拘束時間の増加や、作業員の残業増加、他業務の停滞、さらには周辺道路での違法駐車・渋滞などの問題へと発展するかもしれません。 特に人手不足や納品時間厳守のプレッシャーが大きい現場では、荷待ちが慢性化することで、全体の物流効率に大きなダメージを与えてしまいます。課題解決に向けてトラックバースの効率的な活用が重要です。

トラックバースを効率的に活用するためのポイント

トラックバースを効率的に活用するためのポイントは以下の3つです。

  • レイアウトを見直す
  • システムを導入する
  • 作業フローを見直す

特にシステムを導入すると、待機時間の短縮に大きな成果が期待できるでしょう。

レイアウトを見直す

トラックバース周辺のレイアウトを見直すことは、荷待ち時間の削減に大きく貢献できます。特に敷地内の導線を整理し、入荷と出荷のトラックバースを分けることができれば、作業効率は格段に向上します。

また、入退場口を分離したり敷地内を一方通行にすることで、車両同士の行き違いや混雑を防ぐことも可能です。さらに、敷地内にトラックの待機場所を設けておけば、近隣道路への駐車を減らし、周辺環境への配慮にもつながります。

このような工夫は現場の円滑なオペレーションを支えると同時に、全体的な物流効率の改善にも直結します。多額の費用をかけずに実行できる点も大きなメリットです。 まずはレイアウトの見直しから始めてみましょう。

システムを導入する

システム導入は、トラックの待ち時間短縮に高い効果が期待できます。人の管理だけでは難しい情報整理をAIの力で実現できるため、導入費用は必要ですが、高い確率でトラックの待ち時間問題を解決に導いてくれます。

車両入構管理ソリューション

トラックバースを効率よく使うためには、「いつ、どの車両が来て、どのくらいの時間滞在しているか」をしっかり管理することが大切です。そこで役立つのが車両入構管理ソリューションです。

車両入稿管理ソリューションでは、ゲートに設置したカメラとAIがナンバープレートを自動認識し、登録済みの車両なら停車せずにスムーズに入場できます。さらに、駐車時間やトラックバースの利用状況をリアルタイムで可視化し、長時間の滞在が発生すれば通知で知らせる仕組みも搭載しています。

これにより、トラックバースでの滞留を防ぎ、荷待ち時間を大幅に削減可能です。加えて、映像記録と連携することでセキュリティ強化やトラブル時の追跡にも活用でき、効率と安全性を同時に高められます。 気になる方は以下のリンクよりチェックしてみてください。

車両入構管理 - 映像セキュリティ - 製品・ソリューション - パナソニック コネクト

バース予約システム

バース予約システムとは、トラックの到着時間を事前に予約し、バースの混雑緩和や荷待ち時間の短縮を図るためのシステムです。倉庫側は予約状況をリアルタイムで確認でき、計画的に作業を進めることで、待機時間が短縮され荷役作業をスムーズに行えます。

トラックの入庫時間が事前にわかるため、待ち時間が発生した場合の原因追及もできます。例えば、トラックが早く到着したドライバー都合なのか、トラックの受け入れが遅くなった自社起因なのかの振り返りが可能です。 荷待ち時間が多い倉庫や、納品の時間指定が厳しい企業では、特におすすめなシステムです。

倉庫管理システム

倉庫管理システム(WMS)は、入荷から出荷まで倉庫内の作業を一元管理できる仕組みです。在庫の場所や数量、入出荷の履歴をリアルタイムで確認でき、ピッキング指示もスムーズに出せます。

倉庫管理システムは、多品種の商品を扱う企業や出荷回転の速い現場で特に有効で、在庫の「見える化」によって倉庫スペースを有効活用できる点もメリットです。ピッキング作業の効率化によって出荷時間を短縮できるので、トラックバースでの荷待ち時間削減にもつながります。 さらにバース予約管理システムと連携させれば、入荷予定と到着予定を突き合わせて作業タイミングを調整しやすくなるため、活用の幅を広げられます。

配車管理システム

配車管理システムは、GPSや交通情報をもとに最適な配送ルートや運行スケジュールを自動で提案できるシステムです。予約受付システムが倉庫側での事前調整を主とするのに対し、配車管理システムはドライバーや運送会社がリアルタイムで混雑状況を把握・調整できる点が特徴です。

倉庫の空き状況に応じて柔軟な配送判断ができ、トラックの待機時間を減らして運用効率をさらに高められます。システムによってはルート案内や脇見運転防止機能も搭載されており、安全性の向上にも寄与できます。 倉庫側からだけなく、ドライバー側から待機時間の短縮に取り組めるシステムなため、倉庫管理のみに留まらず、運送会社を運営している事業者にもおすすめです。

作業フローを見直す

作業フローの見直しは、トラックバースでの安全性と作業効率を高めるために欠かせません。積み降ろし作業の手順を標準化することで作業者ごとのやり方の違いをなくし、誰が担当しても一定の品質とスピードを保てます。

また、フォークリフトや台車などの作業機器を適切な位置に配置することで、無駄な移動を減らし、事故や接触のリスクを軽減できます。各工程での動線を整理して明確にすれば、作業者同士の動きが交錯せず、現場での混乱を防ぐことが可能です。 その結果、作業ミスの減少にもつながり、より安全で効率的なオペレーションを実現できるでしょう。

まとめ

トラックバースは倉庫に荷物を運び込むための重要な作業場であり、効率的に活用することが荷待ち時間の短縮や解消につながります。特に効果的なのが各種システムの導入です。

株式会社稲沢商会では、車両入構管理ソリューションを提供しています。トラックの荷待ち時間削減と倉庫のセキュリティ強化を同時に実現できる、コストパフォーマンスに優れたシステムです。 詳しく知りたい方は、以下のリンクからぜひお問い合わせください。

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